「レントゲン写真を撮りましょう」とお伝えすると、「被爆は大丈夫ですか?」と心配される方がいらっしゃいます。結論から言うと、歯科のレントゲンで受ける放射線はごくわずかです。
たとえば、歯を数本写す「デンタル」1枚の放射線は、普段の暮らしで自然に受ける量の約2日分です。この記事では、歯科のレントゲンの線量を、身の回りの放射線や健康への影響が出る量とくらべてご紹介します。
私たちは毎日、放射線を受けています
放射線は病院だけのものではありません。宇宙や大地、空気、食べ物からも、私たちは毎日少しずつ放射線を受けています。これを「自然放射線」といいます。
日本で暮らす人が1年間に受ける自然放射線は、平均で約2.1ミリシーベルト(mSv)です。ミリシーベルトは、放射線が体に与える影響を表す単位です。一日あたりにすると、およそ0.006 mSvになります。
歯科のレントゲンはどのくらい?
歯科で使うレントゲンには、主に3つの種類があります。1回あたりの量はどれもごくわずかです。
| 撮影の種類 | どんな撮影? | 1回あたりの量(mSv) | 自然放射線でいうと |
|---|
| デンタル(1枚) | 数本の歯を細かく写す | 約0.01 | 約2日分 |
| パノラマ | お口全体を1枚に写す | 約0.03 | 約5日分 |
| 歯科用CT | 骨や歯を立体的に見る | 約0.1 | 約2〜3週間分 |
歯科用CTは、撮影する範囲や装置によって量が変わります。当院のレントゲンはデジタル式で、少ない量で撮影できます。
身の回りの放射線とくらべてみましょう
歯科のレントゲンは、健康診断の胸のレントゲンや、飛行機での海外旅行と同じくらいか、それより少ない量です。
| 項目 | 量(mSv) |
|---|
| 歯科 デンタル(1枚) | 約0.01 |
| 歯科 パノラマ | 約0.03 |
| 胸のレントゲン(健康診断) | 約0.06 |
| 飛行機 東京〜ニューヨーク往復 | 0.08〜0.11 |
| 歯科用CT | 約0.1 |
| 自然放射線 1年間(日本平均) | 約2.1 |
| 胸部CT(病院の全身用CT) | 2.4〜12.9 |
歯科用CTは、病院で体を撮るCTとは別の装置です。お口まわりだけを撮るため、量はずっと少なくなっています。
健康への影響が出る量とくらべると
放射線で健康への影響が心配されるのは、およそ100 mSvを超えたときです。100 mSvを超えると、がんのリスクがわずかに高まることが知られています。それより少ない量では、影響があったとしても、生活習慣などによるリスクよりはるかに小さいと考えられています。
100 mSvに届くまでには、歯科のレントゲンなら次の回数が必要です。
- デンタルなら、約10,000枚
- パノラマなら、約3,300回
- 歯科用CTなら、約1,000回
もちろんこれは単純な計算で、通常の歯科治療でこれほどの回数を撮影することはありません。なお、100 mSvは「これ以下なら影響がゼロ」という境目ではありません。そのため当院では、量が少ない歯科のレントゲンでも必要なときだけ撮影しています。
まとめ
歯科のレントゲンは、虫歯や歯周病、歯並びなど、目では見えない部分を正確に診断するために欠かせない検査です。受ける放射線は日常生活とくらべてもごくわずかで、健康への影響が心配される量とは大きな差があります。
桜山たくみ歯科・矯正歯科では、次のことを大切にしています。
- デジタル式のレントゲンで、少ない量で撮影します
- 診断や治療に必要なときだけ撮影します
- 放射線が当たるのはお口のまわりの限られた範囲です
レントゲンについて不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
参考資料
数値は目安で、装置・撮影条件・体格により異なります。